全28問に、回答が来た。

2026年7月30日、資源エネルギー庁 電力基盤整備課から、追加確認Q1〜Q18と補充照会Q19〜Q28の全28問への文書回答を受領しました。全問に回答した対応は率直に評価します。その上で、回答は要件化の設計について3つの構図を公式記録として確定させました——対象は「使う」ではなく「持つ」。比較検討の文書は存在しない。そして、設置の安全は誰も確認しない。本稿は回答全文を公開し、効果・透明性・公平性・実質的規制性の4軸で、確定事実と推論と法的評価を区別して検証する制度レビューです。

執筆: 益田 周防海(Suomi Masuda)/株式会社I-S3 | 公開: 2026年7月30日 | 読了目安 18分

確定した3つの構図 実質的規制への転化 回答全文(28問) 追加確認Q29〜Q37 送付した照会

Q1〜Q28 全問回答受領(2026-07-30) 電力基盤整備課名義 回答は担当官個人からの送信でしたが、「担当課である電力基盤整備課としての回答に変更はございません」と明記されています。当社の方針どおり、ご担当者の個人名・個人アドレスは掲載せず、組織名義の公式回答として取り扱います。

30秒で分かること

解説動画 — 日・英・中

「検証可能性は担保しない」「比較資料はない」「審査基準は各社判断」——全28問回答で確定した事実と、任意認証が実質的規制へ転化する構図を、日本語・英語・簡体中国語の動画で解説しています。

言語タイトルサイト内視聴YouTube
日本語 JC-STAR系統連系義務化の真相 — エネ庁28問回答の解剖【検証可能性は担保しない】 再生 Watch
English Grid Mandate Autopsy — METI's 28 Answers on Japan's JC-STAR Grid Rule 再生 Watch
简体中文 JC-STAR幻象:解构7月30日并网政策 — 资源能源厅28问全回复解剖 再生 Watch

前作 — 規模ではない。到達構造だ。(日英中): 日本語English简体中文|前々作 — 義務化の論理的破綻: 日本語English简体中文

シリーズ全体は再生リストにまとめています。

1. 経緯 — 3週間の照会が固定したもの

事実本シリーズの照会は2026年7月10日の公開質問(8項目)から始まりました。今回の回答は、その第4ラウンドに当たります。

日付やり取り確定した主な事実記録
7/10 → 7/13公開質問8項目 → 初回回答「対象範囲は弊庁にて定めております」初回回答
7/14 → 7/16再確認6項目 → 再回答RS-485のみのPCSは対象外。回答主体は電力基盤整備課再回答分析
7/16・7/26追加確認Q1〜Q18・補充照会Q19〜Q28 送付突合照会
7/19〜7/26IPAへ三度の照会(全問回答)境界防御は考慮しない/ラベル≠設置安全/例外は不可視IPA第3回答
7/30エネ庁がQ1〜Q28全問に文書回答本稿本ページ

2. まず、評価すべきこと

分析今回の回答には、これまでのやり取りと明確に異なる点が3つあります。

この対応自体は評価します。問題は、誠実に回答された結果として確定した中身です。

3. 確定した3つの構図

構図1 — 対象は「使う」ではなく「持つ」。通信できない機器も対象になった

事実Q2〜Q4への回答は明快です。

IP通信機能を有する場合は、使用有無にかかわらず要件化の対象となります。(Q2。Q3・Q4は「同上」)

Ethernetポートが未結線でも、設定で無効化しても、出荷時に恒久的に無効化して物理的に通信できなくしても、要件化の対象です。一方、Q22では「IP通信機能を有さない機器は対象外」で、例外申請も求めないと確認されました。

分析この二つを並べると、対象を分ける基準は「外部と通信するか」ではなく「基板上にIP機能が載っているか」だけになります。恒久無効化された機器と、最初からポートのない機器は、ネットワークから見れば同じく到達不能です。しかし前者はラベルが必要で、後者は不要——通信できない機器のラベル取得がどのサイバーリスクを下げるのか、回答では説明されていません。

重要さらにQ5では、公開資料が一貫して使ってきた「IP通信を用いる製品」という文言と、今回の「IP通信機能を有する」の関係を、「資料上一部表現の揺らぎが存在するところ、原則同義」と整理しました。「用いる」と読んだ事業者は「使わなければ対象外」と理解し得ます。義務の外延を画する文言が「揺らぎ」で済まされるなら、事業者は何を読んで自らの義務を知ればよいのか——予見可能性の問題は、定義の不在から文言の不安定へと一段深くなりました。

なお、個別機器の判定(Q2ただし書き・Q6)は「IPA様へご確認ください」とされました。7月13日の「対象範囲については弊庁にて定めております」という回答と併せると、範囲の原則は弊庁、個別の当てはめはIPAという分担になりますが、系統連系の可否を左右する判定の責任主体としては、なお宙に浮いています。

構図2 — 比較検討の文書は、存在しない

事実技術的検討資料の存在を問うた8問(Q7〜Q14)と影響評価(Q15〜Q18)への回答は、次の3種類に集約されます。

  • 「ございません」 — IP/非IP通信の比較(Q9)、IEC 62443・Zone & Conduit・境界防御との比較(Q10・Q14)、代替措置との比較(Q18)。要件化の観点での比較資料は存在しないと明答。
  • 「WG資料をご参照ください」 — 脅威モデル(Q7)、リスク分析(Q8)、攻撃事例の評価(Q11)、効果評価(Q13)、依拠文書(Q28)。特定の資料名・箇所は示されず、公開審議会資料への包括参照。
  • 「会話の中で」 — 迂回構成の検討(Q12)、市場影響評価(Q15)、予見可能性・異議申立ての仕組み(Q17)は、文書ではなく業界団体・個別事業者との会話・都度協議。

分析国際標準(IEC 62443)との整合を検討した文書がなく、代替案との比較文書がなく、影響評価と救済手続が「会話」に依存している——これは当社の推測ではなく、要件化を所管する課自身の文書回答です。系統連系という市場参入の入口に置かれる要件が、比較検討の文書ゼロで採用されたことが、公式記録になりました。

構図3 — 設置の安全は、誰も確認しない

事実IPAは既に「適合ラベル取得済み」は「安全に設置・運用されている」ことを示さないと明言しています(F4)。では設置・運用の安全は連系プロセスの誰が見るのか。今回の回答を並べます。

  • Q26(連系要件が確認する対象は製品適合か設置安全か)——択一には答えず、「JC-STAR★1への適合を求め……実効性を高めることとしています」。確認対象として挙げられたのは製品の適合のみ
  • Q21(審査で構成図照合を行うか)——「審査実務については、各案件ごとに属地の一般送配電事業者にて実施いたしますので、弊庁での回答は差し控えさせて頂きます」。
  • Q27(例外取得が見分けられない中で予見可能性・検証可能性をどう担保するか)——「第三者による検証可能性などは担保する予定はございません」。

分析制度の全体像がここで閉じます。ラベルは設置の安全を示さない(IPA)。要件が確認するのは製品の適合だけ(Q26)。審査の設計は要件を作った課の所管外(Q21)。ラベルの実態を第三者が検証する仕組みは作らない(Q27)。——つまり、系統に接続されるシステムとしての安全を、制度上確認する主体がどこにもいない。それでいて、通信できない機器にまでラベルは要求されます。守られるものが何かを説明する文書は、構図2のとおり存在しません。

4. 「要件化不可ではない」という決定理由

事実風力は境界のゲートウェイ・ファイアウォールに限定した早期適用、太陽光・蓄電池は通信機能を有する制御システム全般に★1必須——この方式差の理由を問うたQ25への回答は、原文でこう記されています。

太陽光・蓄電池に関連する業界団体様・個別事業者様と協議のうえ、要件化不可ではないことを確認し、決定しております。(Q25)

分析示された理由は「実施できなくはないと確認できたから」であり、セキュリティ上の理由ではありません。風力に境界機器重点の方式が成立するなら、同じネットワーク構造を持つ太陽光にそれを採らない技術的根拠が必要なはずです。回答はその根拠を示さず、業界との協議による実施可能性だけを挙げました。「課すことができるか」と「課すべきか」は別の問いです。前者しか確認されていないことが、担当課の言葉で確定しました。

関連して、Q19(ゲートウェイ経由を対象外とする画定は境界防御の効果を前提とするか)には、前提の有無を答えず「ゲートウェイについては、通信機能を有する機器に含まれ、対象の製品に含みます」とだけ回答されました。ゲートウェイ自体が対象であることは確定しましたが、ゲートウェイ配下の機器の扱いと、2026年2月公開資料の画定(「ゲートウェイ等を介さずに接続している機器」)との関係は、未回答のまま残っています。

5. ★1の効果の実像 — 「最低限」は何を上積みするのか

事実エネ庁が28問を通じて唯一繰り返した積極的理由は、「IoT製品全般に対する統一的な最低限の基準として存在するJC-STAR★1制度を活用し、実効性を高める」(Q14・Q16・Q18・Q20・Q26)です。この説明は「最低限の基準でも、何も求めないより改善になる」という前提に立っています。その前提を、基準の中身から検証します。

事実★1の適合基準が求めるのは、推測容易な共通初期パスワードの排除、ソフトウェア更新手段の確保、脆弱性対応窓口・方針の整備といった、製品セキュリティの基礎的事項です。適合の確認方法は製造ベンダの自己適合宣言であり、第三者試験はありません(IPA公開資料・徹底調査レポート)。

分析これらの事項は、現在国内で流通する主要なPCS・EMS等が既に一般的に実装している慣行の明文化に近いものです。パスワードを変更できない製品や更新手段を持たない製品は、現行市場ではほぼ流通していません。つまり★1要件化が市場に新たに付加するセキュリティの上積みは、ごく限定的です。「最低限の基準だから改善になる」という説明は、基準を満たしていない製品が現に市場の相当部分を占めている場合にのみ成立しますが、エネ庁はその実態を示す資料を28問のどこでも提示していません(Q13・Q14は検討会資料への包括参照と「比較資料ございません」)。

事実要件化の契機とされる2024年5月の遠隔監視機器への攻撃は、公表情報によれば、修正版が提供済みの既知脆弱性を放置したままインターネットに直接露出していた機器が侵害された事案です。エネ庁は、この事案の侵入経路調査を要件化検討時に参照したかというQ24に、資料名を特定せず包括参照で答えました。

分析直接露出・パッチ未適用・運用不備——この事案を構成した要素はいずれも、製品が出荷時点で★1ラベルを持っていたかどうかとは独立に発生します。IPAが確定させたとおり、ラベルは「安全に設置・運用されている」ことを示さず(F4)、★1はむしろ外部からの直接露出を前提に設計されています(F1)。つまり、改善が実際に必要な領域(露出・構成・運用)は★1の評価範囲外にあり、★1が評価する領域(製品の基礎的衛生)は既におおむね充足されている。「最低限だから改善になる」は、この二重の理由で上積みの証明になっていません。

公開証拠から確実に言える要件化の効果は、セキュリティの向上ではなく、ラベル取得という手続の発生と、それを完了できない製品の市場からの退出です。前者が後者以外の実益を生むことを示す資料は、28問への回答のどこにも示されませんでした。追加確認Q36では、この点をエネ庁自身の言葉で特定するよう求めます——「主要製品が現在満たしていない★1要件」を挙げられるなら上積みは具体化し、挙げられないなら要件化の効果は手続と退出だけであることが確定します。

6. 任意認証の実質的規制への転化と行政手続

事実JC-STARは制度上、任意の適合ラベルです。一方エネ庁は、系統連系技術要件として★1取得製品の使用を求める方針を維持し(Q16・Q26)、非IP機器を除き、恒久無効化された機器まで対象とします(Q2〜Q4)。

分析ラベルがなければ新規の系統連系ができず、連系ができなければ発電事業も製品販売も事実上成立しません。名目が任意であっても、経済的・法的な効果において、★1ラベルは市場参入と系統連系の必須条件として機能します。これは「任意認証の政策上の活用」ではなく、任意認証の実質的な規制要件への転化です。

事実その規制としての運用体制について、今回の回答は次を確定させました。審査基準・照合方法は「一般送配電事業者にて実施」するため回答を差し控える(Q21)。経済的不利益への判断基準の公表・予見可能性・異議申立ての仕組みは「都度協議」(Q17)。例外取得の不可視に対する第三者検証可能性は「担保する予定はございません」(Q27)。

法的評価(条件付き)行政手続法は、申請に対する処分について審査基準の設定・公表(第5条)と、拒否する場合の理由の提示(第8条)を求めます。系統連系の審査は形式上、一般送配電事業者の契約実務ですが、その要件は国の審議会・検討会の整理に基づいて定められ、全国一律に適用されます。ここで、次の前提がすべて立証される場合を考えます。

この前提の下では、当該拒否は行政手続法の要請及び行政法の一般原則(平等原則・比例原則)に照らして違法と評価されます。これは可能性の指摘ではなく、前提を固定した条件付きの法的帰結です。逆に言えば、エネ庁が施行までに(ii)〜(iv)を解消するなら、この帰結は回避されます。どの前提を解消する予定なのか——それを問うのが追加確認Q37です。現時点の回答(Q17・Q21・Q27)は、いずれの前提についても解消の予定を示していません。

未立証なお、連系拒否の処分性(前提i)は法解釈上の争点であり、本稿は該当すると断定しません。ただし、処分性が否定される場合は「国が定めた参入条件を、行政手続法の規律が及ばない私人の審査に委ねている」ことになり、適正手続の空白はより深刻になります。いずれに転んでも、審査基準・理由提示・救済の不在という問題自体は消えません。

7. 想定される反論と、残る問題

分析行政側から想定される反論を、最も強い形で挙げ、今回の回答と突き合わせます。

想定反論反論が説明できる範囲説明できずに残る問題
電力の安定供給という重大な公益目的がある 目的の正当性。当社も一貫して目的には賛成している 目的の正当性は手段の合理性を代替しない。手段選択の比較資料は「ございません」(Q14・Q18)
最低限の統一基準であり、何も求めないより改善になる 基準未達製品が市場に相当数ある場合の底上げ 基準内容は既存慣行の明文化に近く、未達実態を示す資料は提示されていない。改善が必要な領域(露出・構成・運用)は★1の評価範囲外(第5章)
専門技術的判断には広い行政裁量が認められる 技術的要件の設定に一定の裁量があること自体 裁量の統制には判断過程を跡付けられる資料が必要。脅威モデル・リスク分析は包括参照のみ(Q7・Q8)、決定理由は「要件化不可ではない」(Q25)で、判断過程が跡付けられない
例外申請があるため、非IP機器等も救済可能 個別事案の救済可能性 例外の目的は「ビジネス上の不利益防止」で、取得区別なし・統計非公表・検証可能性は「担保する予定なし」(IPA第2・3回答、Q27)。救済制度ではなく不可視の個別裁量
審査実務は一般送配電事業者の所管である 個別案件の審査主体の説明 要件を定めた主体が審査の設計を説明しないなら、要件と執行の間に責任の空白が残る(Q21・Q32・Q33)。統一審査基準の存在は未確認
段階的導入であり、将来は★2以上やシステム要件も検討する 将来の改善可能性 時期を明言した資料は「存在いたしません」(Q23)。現時点の制度は現時点の設計で評価されるべきであり、将来の検討は現在の空白を埋めない

いずれの反論も「目的は正しい」「最低限はある」「将来は改善する」の変奏であり、選択された手段が合理的・必要・公平であることの立証にはなっていません。この区別——目的の正当性と手段の合理性、最低限の有用性と必須参入条件としての合理性——を混同しないことが、本シリーズの一貫した検証軸です。

8. 全28問・回答全文

公開記録2026年7月30日受領。回答は原文のまま(Excelのふりがなデータのみ除去)。確定は制度理解に直結する明答、間接は選択肢に答えず参照・一般論で応じた回答です。質問全文はQ1〜Q18送付文Q19〜Q28送付文を参照してください。

ID質問(要旨)と回答(原文)
Q1「IP通信機能」の正式な定義はあるか「インターネットプロトコルを使用したデータの送受信機能を指します。」確定(定義文書の提示はなし)
Q2Ethernetポート未結線でも対象か「IP通信機能を有する場合は、使用有無にかかわらず要件化の対象となります。ただし、個別条件(物理的分離など)によってJC-STAR★1の対象か否かについては、IPA様へご確認ください。」確定
Q3設定でIP通信を無効化した場合は「同上」=対象確定
Q4出荷時・施工時に恒久的に無効化した場合は「同上」=対象確定
Q5公開資料の「IP通信を用いる」と「有する」は同義か「指している公開資料全てを承知しているものではございませんが、資料上一部表現の揺らぎが存在するところ、原則同義です。」確定
Q6「主要な構成製品」の定義。PC・PLC・Logger・Gateway・LTEルーターは含まれるか「個別のシステム構成を全て把握することが困難であることから一概にお答えすることが難しいですが、グリッドコードとしては、JC-STAR★1を取得可能なものについて、その取得を求めております。個別の設備において、JC-STAR★1の対象か否かについては、IPA様へご確認ください。」(定義なし・機器別回答なし)間接
Q7対象範囲決定時の脅威モデル資料は存在するか「電力サブワーキンググループ資料をご参照ください。なお、JC-STARとしては、IPA様の★1適合基準・評価ガイドの説明などをご参照ください。」(存在有無への直接回答・資料名特定なし)間接
Q8リスク分析資料は存在するか「同上」間接
Q9IP通信と非IP通信を比較評価した資料は存在するか「グリッドコードにおけるJC-STAR★1取得要件化の観点ではございません。」確定
Q10IEC 62443・Zone & Conduit・Boundary Protectionの比較資料は存在するか「同上」=存在しない確定
Q112024年5月攻撃事例を★1で防止・軽減可能と評価した資料は存在するか「電力サブワーキンググループ、グリッドコード検討会資料をご参照ください。」間接
Q12PCS非IP+PC経由LTE外部通信の迂回構成を検討したか「個別のシステム構成を全て把握することが困難であることから、業界団体様・個別事業者様との会話の中で検討しております。」間接
Q13要件化による効果の評価資料は存在するか「電力サブワーキンググループ、グリッドコード検討会資料をご参照ください。」間接
Q14その評価で境界防御・IEC 62443等との比較を実施したか「(略)グリッドコードにおけるJC-STAR★1取得要件化の観点では比較資料ございません。」確定
Q15市場参入・既設設備・メーカー影響の評価資料は存在するか「個別事業者さまとの会話の中で検討しております。なお、既設の取り扱いについては、以下よくある質問をご参照ください。」(エネ庁サイトFAQへのリンク)間接
Q16任意制度を事実上の取得前提とする制度設計上の整理を記載した資料は存在するか「電力の安定供給確保が重要であり(略)JC-STAR★1制度を活用し、実効性を高めることとしています。資料としては、電力サブワーキンググループ、グリッドコード検討会資料をご参照ください。」間接
Q17経済的不利益への判断基準公表・予見可能性・異議申立ての仕組みは存在するか「業界団体様・個別事業者様との会話の中で都度協議しております。」確定(定めた資料・運用の提示なし)
Q18代替措置との比較評価資料は存在するか「(略)まずは全てのIoT製品に求められる最低限度のセキュリティ基準であるJC-STAR★1を活用することで実効性を高めていくこととしており、代替措置の比較資料はございません。」確定
Q19Gateway経由対象外の画定は境界防御の効果を前提とするか「ゲートウェイについては、通信機能を有する機器に含まれ、対象の製品に含みます。」(前提の有無には未回答。GW自体の対象性は確定)間接
Q20★1が電力特化でないこと(IPA F2)を認識していたか。補完措置は「認識しております。その上で(略)JC-STAR★1制度を活用し、実効性を高めることとしています。」(認識は確定。補完措置の特定なし)確定
Q21連系審査に構成図照合の仕組みは含まれるか「審査実務については、各案件ごとに属地の一般送配電事業者にて実施いたしますので、弊庁での回答は差し控えさせて頂きます。」確定
Q22非IP機器で例外申請可否に依存する機器の連系可否は「非IP通信機器(IP通信機能を有さない)の場合、ご認識のとおり対象外でございますので、例外申請を求めることはしておりません。事業者様のご判断の上での対応としております。」確定
Q23★2以上・システム要件へのロードマップは存在するか「★2以上の適合基準の整備や導入に関しては、今後審議会等で議論を進めることとし、時期を明言した資料は存在いたしません。」確定
Q242024年攻撃事例の侵入経路調査を要件化検討時に参照したか「電力サブワーキンググループの資料をご参照ください。」間接
Q25風力は境界機器重点なのに太陽光・蓄電池は全般★1必須とした理由は「太陽光・蓄電池に関連する業界団体様・個別事業者様と協議のうえ、要件化不可ではないことを確認し、決定しております。」確定
Q26連系要件が確認する対象は (a)製品適合 (b)設置安全 のどちらか「繰り返しにはなりますが、IoT製品全般に対する統一的な最低限の基準として存在するJC-STAR★1への適合を求め、電力の安定供給確保のため、サイバーセキュリティの確保の実効性を高めることとしています。」(択一への直接回答なし。挙げられたのは製品適合のみ)間接
Q27例外取得の不可視を前提に、予見可能性・第三者検証可能性をどう担保するか「非IP製品における例外取得と通常の取得での区別がないことに対し、第三者による検証可能性などは担保する予定はございません。」確定
Q28説明責任のために依拠する公開文書は「系統ワーキンググループ、電力サブワーキンググループ、グリッドコード検討会資料。次世代電力系統ワーキンググループでの議論を踏まえて、JC-STAR★1取得要件化を系統連系技術要件に求めることとしております。」確定

9. 追加確認 Q29〜Q37

照会全28問への回答で、大半の論点は文書として確定しました。残るのは、今回の回答自身が新たに生んだ整合の問いです。再質問は次の9問に絞り、御礼とあわせて電力基盤整備課へ送付します。Q29〜Q34は回答の帰結の確認、Q35〜Q37は効果の特定と手続整備の予定——第5章・第6章で示した空白を、エネ庁自身の言葉で埋めるか、埋めないと明言するかを問うものです。

ID確認内容由来
Q29恒久的に通信不能な機器の★1取得で低減が期待される具体的リスクQ4
Q302026年2月資料の画定(GW等を介さず接続する機器)は現在も有効か。GW配下機器は対象かQ19
Q31太陽光に風力方式(境界機器重点)を採らないセキュリティ上の理由は存在するかQ25
Q32設置構成・運用の安全性は連系プロセスのどの主体が確認するのかQ21・Q26
Q33一般送配電事業者への審査指針(構成図照合等)は存在するかQ21
Q34「検証可能性は担保する予定なし」は課としての正式な整理かQ27
Q35同等以上の防御を実装した設備に★1未取得製品を認める同等性評価・代替措置はあるかQ18
Q36主要なPCS・EMS等が現在満たしていない★1要件は何か(要件化による向上点の特定)Q13・Q14
Q37審査基準の公表・拒否理由の提示・異議申立て経路は施行までに整備されるかQ17・Q21・Q27

送付文全文

10. 断定すること・断定しないこと・是正の方向

確定事実として断定すること

証拠からの評価として断定すること

断定しないこと

是正の方向批判の対象は制度の目的ではなく設計です。是正は難しくありません——「★1又は同等措置」への性能基準化、IEC 62443等による同等性評価の許容、通常取得と例外取得の区別表示、統一審査基準と拒否理由の公開、再評価・異議申立て経路の整備、効果の定期検証。設備側の構成義務を軸にした具体的な代替案は「最低限の注意義務」方式として公開済みであり、これらはいずれも、誰も排除せず、国際標準と整合し、目的への適合性を高める方向の修正です。

この記事で共有できること