経産省JC-STAR窓口へ
公開質問を送りました

― 公開質問の記録(回答受領) ―

株式会社I-S3は、JC-STAR制度について技術的・制度的観点から整理した8項目の質問を、経済産業省のJC-STAR関連窓口へ送付しました。本稿は制度批判ではなく、公開情報だけでは理解できない設計思想を正しく把握し、より信頼性の高い制度へ発展させることを目的とした問い合わせの記録です。2026年7月13日に回答を受領しました。回答全文と再確認内容は特設記事にまとめています。

執筆: 益田 周防海(Suomi Masuda)/株式会社I-S3 | 公開: 2026年7月11日 | 最終更新: 2026年7月13日 | ステータス: 回答受領・再確認中 | 解説動画3本(日・英・中) | 読了目安 12分

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回答受領 2026年7月13日に回答受領。回答全文・資源エネルギー庁への再確認・IPAへの照会特設記事 へ。

解説動画 — 読まなくても、動画だけで全体像がつかめます

経産省への8項目公開質問と、回答後の再確認を、日本語・英語・簡体中国語で解説しています。

エネ庁全28問回答の全文と解剖(Q29〜Q37も公開)

10観点比較(メリット詳解)対案「最低限の注意義務」再回答の分析記事

回答全文と再確認記事 / 初回+公開質問ギャラリー:

1. JC-STAR窓口メールアドレス

事実本問い合わせの送付先は、経済産業省のJC-STAR・分散型電源サイバーセキュリティ関連窓口として公開されている以下のメールアドレスです。

経済産業省 JC-STAR関連窓口

bzl-s-security-denga@meti.go.jp

分散型電源(電力分野)のサイバーセキュリティを扱う公開窓口です。回答の内容によっては、資源エネルギー庁やIPAなど、関連機関への照会が必要になる場合があります。

2. なぜ今、経産省へ問い合わせたのか

JC-STARは、表向きは任意のIoTセキュリティ認証制度です。しかし2025年以降、系統連系手続き・補助事業・オークション等を通じて、日本市場への製品投入における実質的前提条件へと位置づけが変化しつつあります。

I-S3は、公開資料29点に基づく徹底調査レポートおよび一連の論考を通じ、次の論点を整理してきました。

これらは制度を否定するための問いではなく、2027年4月の系統連系要件化を前に、設計思想を正しく理解し、国際的にも説明可能な制度へ磨き上げるための問いです。

3. 制度運用の横断構造 — 誰が何を決めているのか

JC-STARと系統連系要件化の周辺には、公開資料上、少なくとも次の主体が関与しています。

経済産業省(製造産業局・情報政策) JC-STAR制度の所管。IoTセキュリティ認証の政策立案、IPAとの連携、電力分野サイバーセキュリティWGの主催。
資源エネルギー庁 グリッドコード検討会を通じた系統連系要件化。太陽光PCS・EMS等への★1適用範囲、風力Gateway限定の整理、2027年4月適用スケジュール。
内閣官房(経済安全保障) サプライチェーン・重要インフラの安全保障政策。JC-STARの「外国法的環境等」評価項目との接続が制度外から疑われる背景の一つ。
IPA(情報処理推進機構) JC-STARの運用主体。★1の自己適合宣言受理、経産省との非公開「確認作業」、製品リスト管理、不認証理由の非開示。
OCCTO・各送配電事業者 系統連系技術要件の実装。グリッドコード改定案の了承後、各社規程への落とし込み。
JET・評価機関 ★2以上の第三者評価。製造工場登録とJC-STAR取得製品の対応関係。

問い1〜5(認証境界)・問い6(外国法的環境)・問い7(透明性)は、窓口単体では完結しない可能性のある論点です。実際の回答では、対象範囲は資源エネルギー庁、制度自体はIPAへ、という案内が示されました(詳細は回答記事)。

4. 送付した8項目の質問(要約)

以下は送付メールの要約です。全文の趣旨は冒頭の8項目に対応しています。

問い 1 RS-485通信のみのPCSを認証対象とする理由

IP通信機能を持たずRS-485のみのPCSでは、インターネットとの通信境界はSmartLoggerやGateway等の外部機器にあるはず。それでもPCS単体をJC-STAR認証対象とする技術的理由は何か。

問い 2 IEC 62443との整合性

Zone & ConduitおよびBoundary Protectionによる全体防御の考え方に対し、JC-STARはBoundary Protectionだけでは不十分とするのか。その技術的根拠は。

問い 3 想定される脅威モデル

RS-485のみのPCSに対し、どのようなサイバー攻撃シナリオを想定しているか。Boundary Protectionで十分に低減できないと考える理由は。

問い 4 PCによる制御との関係

USB-RS485経由の汎用PCや、PC上のロガー機能実装は技術的に可能。PCS単体認証がどのようなセキュリティ向上効果をもたらすと期待されているか。

問い 5 制度が対象とするセキュリティ範囲

JC-STARはPCS単体の評価か、システム全体の評価か。Boundary Protectionで保護可能な構成にもPCS認証を要求する制度設計上の理由は。

問い 6 外国法的環境等の評価

「外国法的環境等」は純粋な技術的リスク評価か、経済安全保障上のリスク評価か。技術認証制度の中へどのような考え方で位置づけられているか。

問い 7 透明性および説明責任

任意認証でありながら実質的な市場参入条件となっている以上、不認証理由の非開示・審査過程の非公開・「政府が把握している情報」の総合判断について、説明可能性と予見可能性は確保できているか。

問い 8 制度の長期的な運営

国際相互認証や海外企業の利用も視野に入れた制度として、将来の国際情勢変化後も技術的合理性・説明可能性を維持した運営が可能な設計になっているか。

5. 回答が届きました(2026-07-13)

経済産業省「電力サイバーセキュリティ」名義で回答を受領しました。内容は8問への個別回答ではなく、対象範囲は弊庁が定めること、制度自体の質問はIPAへ、という案内です。