変圧器は、工場、ビル、店舗、病院、発電所の受電で電圧を変える機器です。省エネ法のトップランナー方式では、対象となる油入変圧器とモールド変圧器について、製造または輸入する事業者にエネルギー消費効率の基準が課されます。第三次判断基準の目標年度は2026年度です。

2025年、I-S3の現場に届いたのは、トランスの価格が2倍を超えるという通知と、納期が伸びるという連絡でした。対象として見ていたのは、10kVA以上で、柱上変圧器を除く、ほぼ全業種のトランスです。2025年12月の記録では、旧製品が順に製造を終え、新しい器の納期は半年を超え、新設の工場や設備が受電できない状態まで進んでいました。価格の高騰、供給の停止、受電できない設備。これは省エネの副作用ではなく、基準を切り替えた結果として出ている損害です。

損失を下げるために新しい原理が加わったのではありません。電磁鋼板や銅を増やし、器を大きく、重く、高くしています。運転中の損失だけを見て、製造時の材料、運ぶ重さ、据え付ける場所、価格、納期を見ていなければ、更新の判断材料になりません。資源エネルギー庁は、その比較資料を持っていないと、開示で答えました。

解説動画

同じ主題の解説が2本あります。前者が更新の遅れとトップランナー制度、後者が効率化の指示と、回収・設置・ライフサイクルのコストです。

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2025年10月2日 — 公開質問

この日、変圧器のトップランナー制度の科学的な妥当性と環境への影響について、資源エネルギー庁宛ての公開質問状を出しました。あわせて、庁内や業界団体、有識者の会議でどのような議論があったかの行政文書開示も請求しています。

質問の芯は次です。いま流通している器は、すでに変換効率と材料の量のバランスが取れている。基準の切り替えに特段の技術の飛躍がなく、電磁鋼板や銅を増やして大型化・重量化・高価格化するなら、それは損失率の数字を良くするための力技であり、資源を余分に使う。損失率が減っても、元の効率が高い器では、入力に対する改善幅は小さい。その投資に見合うかを、製造から据え付けまでの環境負荷と一緒に示してほしい、という内容です。

同じ時期に、I-S3の現場では、トランスの価格が2倍を超えるという通知と、納期が伸びるという連絡を受けていました。対象として見ていたのは、10kVA以上で、柱上変圧器を除く、ほぼ全業種のトランスです。

公開質問を出した日の記録

2025年10月31日 — 個別の質問には答えられない、開示は12月1日まで延長

公開質問に対しては、制度の仕組み上、個別の質問には回答できない、という返事でした。そこで、答えられない根拠の条文、どの範囲の質問が対象外なのか、回答できる窓口があるのかを、文書で示すよう求めました。

開示請求の方は、資源エネルギー庁から期限延長の通知が届きました。開示は12月1日まで延期。理由は、第三者の提出資料を含み、意見照会と不開示の精査に時間がかかるため、というものでした。資料が存在し、民間や業界団体の提出物も含まれ、すぐには出せない、というところまでは、この通知で分かります。

期限延長までの経過

2025年12月1日 — 開示された書類と、保有していなかった評価

返ってきたのは開示・不開示の決定通知です。34件は開示決定でした。中身は、ワーキンググループの議事次第と議事録、改善率の試算、原油換算の参考値、パブリックコメントとそれに対する考え方、制度説明の資料、目標基準の案です。会議を開き、資料を並べ、手続きを踏んだ記録は揃っていました。

こちらが開示を求めた、制度の当否を分ける評価は別でした。資源エネルギー庁の回答は「作成も取得もしておらず、保有していないため」です。保有していなかったのは、次の資料です。

  • ライフサイクルのCO₂評価
  • 鉄、銅、アモルファス鋼などの材料使用量の増減試算
  • 重量が増えたときの施工、落下、耐震の評価
  • 旧製品の製造が終わったあとの供給と施工のリスク評価
  • 製造、輸送、据え付けまで含めたCO₂の収支

運転中の損失が減ることと、製造時に材料とCO₂が増えることを比べた資料は、この回答の範囲では庁が持っていません。重量が増えて既設の基礎や搬入経路に載るかを見た資料も、同じ回答です。

通知には「トップランナー制度は、旧型トランスの製造中止を求めるものではない」とも書かれていました。一方で、同じ時期の供給は、旧製品が順に製造を終え、新しい器の納期は半年を超え、現場は機器を待てない、という状態でした。制度の文言が製造中止を命じていなくても、出荷できる器が新しい基準側に寄れば、買う側の選択肢はそこに残ります。

開示文書の記録(2025年12月1日)

更新を判断するときに見るもの

既設の変圧器を替えるかどうかは、この基準の目標年度だけでは決まりません。見るのは、製造年、実負荷、温度、設置場所の床と搬入経路、クレーンが使えるか、価格と納期、止めてよい日数です。損失が減る試算だけを受け取り、器が重くなり納期が伸びる分を別紙にしない見積は、比べる相手が足りません。

I-S3は、この基準で出ている価格、納期、供給の記録を、行政文書と現場の通知の両方から公開し続けます。容量、設置年、メーカーからの価格と納期の通知があれば、チャットで「待つ」「今の器を使い続ける」「替える」の分岐を先に切れます。高圧の太陽光では、変圧器の納期が工程を決めることがあります。

原文

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容量、製造年、価格と納期の通知、止められる日数があれば、更新の分岐をチャットで整理できます。

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