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title: 第8章 同じお金で何ができたか — ペロブスカイト太陽電池政策の検証
slug: perovskite-policy-investigation-ch8-opportunity-cost
description: ペロブスカイト太陽電池向けと確認できる公的支援の公表上限は約2,880億円（GI基金1,051億円、GXサプライチェーン採択1,712億円、環境省導入補助120億円）。同じ金額を政府資料の2023年単価で置き換えると、事業用太陽光1.6GW（全額）〜3.3GW（1/2補助）、業務・産業用蓄電池2.7GWh、環境省補助の単価ならペロブスカイト58MWに相当する。2040年に20GWが実現した場合の発電コスト差は年1,500〜1,800億円。比較の前提と、比較が成り立たない部分も示す。
published: 2026-10-29
updated: 2026-10-29
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# 第 8 章　同じお金で何ができたか

公的支援の規模と、政府資料の単価による置き換え

## 要点

- ペロブスカイト太陽電池向けと確認できる公的支援の公表上限は、グリーンイノベーション基金 1,051 億円、GX サプライチェーン構築支援事業の採択 4 件 1,712 億円、環境省導入補助 2 年分 120 億円の合計約 2,880 億円である。いずれも採択時の上限または予算枠で、交付決定額・実支出額ではない〔C: CL-032〕
- 同じ約 2,880 億円を、政府の発電コスト検証が使った 2023 年の建設費（事業用太陽光 17.6 万円/kW）で置き換えると、全額負担で約 1.6GW、GX サプライチェーン事業と同じ補助率 1/2 なら約 3.3GW の事業用太陽光に相当する。業務・産業用蓄電池（10.6 万円/kWh）なら約 2.7GWh、環境省のペロブスカイト導入補助の実績単価（746 万円/kW、補助 2/3）なら約 58MW である〔C: CL-033〕
- 2040 年に 20GW が実現した場合、年間発電量 24.5TWh に対する政府試算のコスト差（15.3 円 − 7.9 円）は年約 1,800 億円。自立化水準 14 円でも年約 1,500 億円、10 円なら年約 500 億円である〔C: CL-034〕
- この比較は「同じ金額でシリコンを入れた場合」を示すもので、ペロブスカイトが狙う「シリコンが設置できない場所」の価値は含んでいない。比較が成り立つのは、需要推計の 95% を占める屋根設置のうち、シリコンでも設置できる部分についてである〔A: EV-074〕

## 1. 公的支援の規模

ペロブスカイト太陽電池に向けた公的支援は複数の制度にまたがり、予算枠・採択上限・交付決定・実支出の階層が異なります（[公的支援の台帳](/perovskite-policy-investigation-funding.html)）。本章では「ペロブスカイト向けと確認できる公表上限」だけを集めます〔C: CL-032〕。

| 制度 | 金額（億円） | 金額の種別 | 証拠 |
|---|---|---|---|
| GI 基金「次世代型太陽電池の開発」 | 1,051 | 基金の上限（2021 年度〜。第 9 回資料では 648 億円、第 10 回資料で 1,051 億円に増額。実証 623・タンデム実証 153.3 を含む） | EV-076, EV-032, EV-033 |
| GXSC 令和 6 年度 積水化学工業 | 1,572.5 | 採択時の補助金額（補助率 1/2、期間 2024-11〜2029-02） | EV-016 |
| GXSC 令和 7 年度補正 リコー | 98.6 | 交付申請額 | EV-023 |
| GXSC 令和 7 年度補正 長州産業 | 37.9 | 交付申請額（追加申請で増額の可能性） | EV-024 |
| GXSC 令和 7 年度 三星ダイヤモンド工業 | 3.4 | 交付申請額 | EV-022 |
| 環境省 導入支援 令和 7・8 年度 | 50.2 + 70 = 120.2 | 予算枠 | EV-052 |
| **合計** | **約 2,884** | 上限・予算枠の合計 | — |

含めていないもの: GX サプライチェーン事業の年度予算枠（水電解・洋上風力と共通の内数）、委託調査費、自治体補助（東京都 9 億円ほか）、税制特例、2027 年度以降の環境省予算。IEEFA が整理した「今後 10 年で約 1 兆円」は「次世代再エネ」全体の計画値で、ペロブスカイト専用ではありません〔A: EV-027〕。

実際に支出された額は、GI 基金の研究開発分を除いて公表されていません。積水化学の第 1 ライン（900 億円、2027 年度稼働）が進行中で、1,572.5 億円は 2029 年までの上限です〔A: EV-016〕。したがって約 2,880 億円は「政府が約束した上限」であり、「使った額」ではありません。

## 2. 政府資料の単価

置き換えに使う単価は、政府自身の検討会が公表した 2023 年の実績値です。

| 対象 | 単価 | 出所 |
|---|---|---|
| 事業用太陽光（50kW 以上）建設費 | 17.6 万円/kW（設備費 10.8 ＋ 工事費等 6.8） | 発電コスト検証 WG p.41、FIT/FIP 定期報告の中央値〔A: EV-070〕 |
| 住宅用太陽光 建設費 | 27.8 万円/kW（19.9 ＋ 7.9） | 同〔A: EV-070〕 |
| 業務・産業用蓄電システム | 設備費 9.2 ＋ 工事費 1.4 ＝ 約 10.6 万円/kWh | 定置用蓄電システム普及拡大検討会 2024 年度とりまとめ p.18、補助事業 11 案件〔A: EV-071〕 |
| 家庭用蓄電システム | 設備費 11.1 ＋ 工事費 1.0 ＝ 約 12.1 万円/kWh | 同 p.11〔A: EV-071〕 |
| 蓄電システムの 2030 年目標価格 | 家庭用 7 万円/kWh、業務・産業用 6 万円/kWh（工事費込） | 同検討会 2020 年度設定〔A: EV-072〕 |
| ペロブスカイト 導入補助の実績単価 | 746 万円/kW（採択 4 件の加重平均、補助率 2/3） | 環境省 第 10 回資料 2〔A: EV-051〕 |
| ペロブスカイト 2040 年の建設費前提 | 20.4 万円/kW | 発電コスト検証 WG p.68〔A: EV-047〕 |

## 3. 置き換え

約 2,884 億円を上の単価で割ると次のようになります〔C: CL-033〕。

| 使い道 | 全額を公費で負担した場合 | 補助率 1/2 の場合 | 年間発電量・容量の目安 |
|---|---|---|---|
| 事業用太陽光（2023 年単価） | 約 1.6GW | 約 3.3GW | 1.6GW × 設備利用率 18.3% ≒ 2.6TWh/年 |
| 住宅用太陽光（2023 年単価） | 約 1.0GW | 約 2.1GW | 1.0GW × 15.8% ≒ 1.4TWh/年 |
| 業務・産業用蓄電池（2023 年単価） | 約 2.7GWh | 約 5.4GWh | — |
| 家庭用蓄電池（2023 年単価） | 約 2.4GWh | 約 4.8GWh | — |
| ペロブスカイト（環境省補助の実績単価、補助 2/3） | — | 約 58MW（補助 2/3） | 58MW × 14% ≒ 0.07TWh/年 |
| ペロブスカイト（2040 年の建設費前提 20.4 万円/kW） | 約 1.4GW | 約 2.8GW | 1.4GW × 14% ≒ 1.7TWh/年 |

読み方に注意が要る点が三つあります。

第一に、公的支援の大半（GI 基金と GXSC）は製造設備と研究開発への支援で、導入補助ではありません。「2,880 億円で 1.6GW の太陽光が建つ」は、同じ金額を導入側に回した場合の置き換えであり、製造業の育成という目的は別に評価が必要です。

第二に、単価の時点が違います。太陽光と蓄電池は 2023 年の実績、ペロブスカイトは 2025 年度の先行事例（付帯費を含む）と 2040 年の前提値です。2040 年のペロブスカイト 20.4 万円/kW が実現すれば、同じ金額での導入量は 2023 年の事業用太陽光とほぼ同じ桁になります。ただしその 2040 年には、政府試算の事業用太陽光の設備費は 5.6 万円/kW に下がっている前提です〔A: EV-048〕。

第三に、1 件の金額は上限で、実際の支出は少ない可能性があります。

## 4. 2040 年の発電コスト差

20GW が実現した 2040 年の断面で、政府の発電コスト検証の値を使って年間のコスト差を求めます〔C: CL-034〕。

| ペロブスカイトの発電コスト | 事業用太陽光との差 | 20GW の年間発電量 24.5TWh に対する差額 |
|---|---|---|
| 15.3 円（WG 参考値、政策経費なし）vs 7.9 円 | 7.4 円 | 約 1,800 億円/年 |
| 16.4 円（同、政策経費あり）vs 8.4 円 | 8.0 円 | 約 1,960 億円/年 |
| 14 円（自立化水準の上限）vs 7.9 円 | 6.1 円 | 約 1,500 億円/年 |
| 10 円（自立化水準の下限）vs 7.9 円 | 2.1 円 | 約 500 億円/年 |

20GW × 8,760 時間 × 設備利用率 14% ≒ 24.5TWh〔A: EV-047〕。差額は、同じ電力量をシリコンで得た場合に比べて、需要家または補助金が毎年多く負担する額に相当します。政府試算どおりなら年 1,800 億円前後、自立化水準の上限 14 円に届いても年 1,500 億円です。この差額は、ペロブスカイトの寿命を 10 年とした場合（第 4 章、24〜25 円）にはさらに大きくなります。

## 5. 比較が成り立たない部分

この章の置き換えには限界があります。

ペロブスカイトの政策目的は、シリコンが設置できない場所（耐荷重の低い屋根、壁面、窓）を開拓することです。その場所では「同じ金額でシリコンを入れる」という選択肢そのものがありません。比較が意味を持つのは、シリコンでも設置できる場所にペロブスカイトを入れる部分についてです。

戦略の需要推計を再現した三菱総合研究所の分析では、2040 年の 20GW のうち屋根設置が 20.1GW（95%）を占めます。屋根のうち耐荷重が足りない建物の割合は、戦略も委託調査も公表していません〔A: EV-074〕。したがって「20GW のうちシリコンと置き換え可能な部分」は確定できず、本章の差額は上限の目安です。

また、製造業の育成（国内に GW 級の生産体制を持つこと）と、海外市場での売上は、導入側の置き換えでは測れません。この点は、海外の実績（第 7 章）と、開示請求で求めている費用対効果の試算（第 10 章）の結果を待って評価します。

## 6. ここまでで分かったこと、分からないこと

分かったこと
- ペロブスカイト向けと確認できる公的支援の公表上限は約 2,880 億円。実支出額は非公表
- 同額は 2023 年単価で事業用太陽光 1.6〜3.3GW、業務・産業用蓄電池 2.7〜5.4GWh に相当
- 環境省補助の実績単価で置き換えると約 58MW。政府施設目標 100MW（第 5 章）の半分強
- 2040 年に 20GW が実現しても、政府試算では年 1,500〜1,800 億円のコスト差が残る
- 置き換えが成り立つのはシリコンでも設置できる場所に限られ、その割合は公表されていない

分からないこと（確認中）
- 各制度の交付決定額・実支出額（開示請求 05A〜05C）
- 政府が費用対効果（CO2 削減量、雇用、コスト）を試算した文書の有無（開示請求 04）
- 20GW のうち、シリコンが設置できない場所の割合

## 出典

| 記号 | 資料 |
|---|---|
| EV-016, 022, 023, 024, 032, 033, 052, 076 | 積水化学工業 リリース（2024-12-26）、GXSC 採択一覧（2026-02／2026-10-27）、NEDO 採択（2026-02-06、2026-08-06）、環境省 第 10 回資料 2（2026-05-20）、第 9 回・第 10 回 事務局資料の GI 基金額 |
| EV-047, 048, 070 | 発電コスト検証ワーキンググループ 取りまとめ p.41, 45, 66〜69（2025-02-06） |
| EV-071 | 2024 年度 定置用蓄電システム普及拡大検討会 結果とりまとめ p.11, 18（2025-03-07） |
| EV-072 | 同検討会の目標価格（2020 年度設定）、経済産業省委託調査報告書（2023）p.9 |
| EV-051 | 環境省 第 10 回資料 2 p.10〜13（2026-05-20） |
| EV-074 | 三菱総合研究所 コラム（2026-03-16） |
| EV-027 | IEEFA "Japan needs a more nuanced perovskite strategy"（2025-11-25） |

金額の単位は億円、単価は万円/kW または万円/kWh。計算はいずれも本調査が公表値から機械的に求めたもので、区分 C としています。各資料の URL と取得日は[証拠台帳と一次資料一覧](/perovskite-policy-investigation-evidence.html)に掲載しています。
