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title: 第1章 20GWはどこから来たか — ペロブスカイト太陽電池政策の検証
slug: perovskite-policy-investigation-ch1-20gw-origin
description: 2040年約20GWの目標は、委託調査の需要推計（面積×専門家インタビュー由来の係数×アンケート導入率）から来ている。戦略自身の2040年コスト試算は自立化水準に届かず、設備寿命の前提は需要調査で10年、発電コスト検証で20年と分かれる。一次資料で確認した事実と推論を区分して記す。
published: 2026-10-29
updated: 2026-10-29
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# 第 1 章　20GW はどこから来たか

委託調査の推計方法、寿命 10 年と 20 年、自立化水準に届かない試算

## 要点

- 「2040 年に約 20GW」は、2024 年 11 月 26 日の第 8 回官民協議会で初めて資料に現れ、2 日後に戦略として確定した。9 月 10 日の骨子案には導入量の欄が無く、10 月 8 日の案では「●GW」と伏せられていた〔A〕
- 20GW は政府の委託を受けたコンサルティング会社の需要推計から来ている。推計は、建物種別ごとの屋根・壁・窓の面積に「設置係数」を掛け、約 500 件の意向アンケートで求めた導入率を掛けたものである。設置係数は専門家インタビューに基づく値で、統計や実測の裏付けは報告書に示されていない〔A〕
- 20GW は、発電コストが 14 円/kWh 以下まで下がった場合の需要として置かれている。しかし同じ戦略の中で、事務局は 2040 年の発電コストを「15 円台半ば」と試算している。目標の前提と自らの試算が合っていない〔A〕
- 需要推計の報告書は設備寿命を 10 年と置き、翌月の発電コスト検証では寿命 20 年を置いた。同じ政府の文書で寿命の前提が 2 倍違う〔A〕
- 報告書自身が、アンケート結果に「回答者のバイアスが含まれ」ると注記している〔A〕

## 1. 数字が現れた日

次世代型太陽電池官民協議会は 2024 年 5 月 29 日に第 1 回が開かれ、同年 11 月 28 日に「次世代型太陽電池戦略」を取りまとめました。全 10 回のうち、国内導入目標の数値が配付資料に載ったのは第 8 回（11 月 26 日）が最初です〔A: EV-045〕。

数字が入るまでの経過は配付資料で追えます。第 1 回の運営要領は「導入目標・価格目標の策定」を検討事項に挙げ、第 1 回資料は「策定した導入目標が、現実的に達成し得る水準となっているか」を論点に置いていました〔A: EV-037, EV-038〕。第 6 回（9 月 10 日）の骨子案は、需要推計の章にグラフの軸と凡例だけを載せ、値の部分は「推計結果は精査・再整理中（委託調査）」とし、進め方の表に導入見込みの欄がありませんでした〔A: EV-041〕。第 7 回（10 月 8 日）の案で「国内：●GW 程度／海外：●GW 程度」「●円/kWh〜●円/kWh」という欄が新たに置かれ、数値は伏せられました〔A: EV-042〕。49 日後の第 8 回で、その欄に「20GW 程度」「500GW〜」「10〜14 円/kWh 以下」が入りました〔A: EV-045〕。第 8 回の要旨には、目標水準の選択理由を事務局が説明した記録や、複数の水準を比べた記録はありません。要旨が載せている数字への言及は「2040 年の約 40GW といった導入目標…の具体的な数値の設定は、特に事業者や投資家にとって予見性を確保するために重要」という 1 件です〔A: EV-046〕。

戦略の本文は、目標を次のように置いています。国内の導入量を 2040 年に約 20GW とし、「大幅にコストが低減した場合」には約 40GW 以上。海外需要は 500GW 以上。これと並べて、ペロブスカイト太陽電池が補助金なしで成り立つ「自立化水準」を 10〜14 円/kWh としています〔A: EV-002〕。

## 2. 推計の方法

20GW は、どのように計算されたのでしょうか。戦略 p.22 の注記は、場所ごとの面積に設置の係数を掛け、アンケートで得た導入率を掛けた、と方法の概要を記しています。屋根と壁は 1 平方メートルあたり 150W、窓は 75W として出力に換算し、壁と窓には 0.1875 の係数を掛けています〔A: EV-003〕。

この推計の実務を担ったのは、経済産業省が 2024 年度に委託した「次世代型太陽電池の需要等に関する調査」です。受託者はボストン・コンサルティング・グループで、報告書は 2025 年 1 月付、経産省の委託調査報告書ライブラリに 2025 年 8 月に掲載されました〔A: PS-120〕。協議会の配付資料ページからこの報告書へのリンクはありません〔A: EV-029〕。

報告書を読むと、推計の骨格は次の 3 段階です。

1. 建物の種別ごとに国内の総屋根面積を求める。戸建住宅は約 22.9 億平方メートル、製造業の事業所は約 3.6 億平方メートル、といった値です
2. そのうちペロブスカイト太陽電池が追加で設置できる割合を「設置係数」として掛ける。戸建は 10%、製造業事業所は 37.5%、普通倉庫は 34%、体育館は 40%、小学校は約 15% が使われています
3. 発電コストの水準ごとに、約 500 件のアンケートで得た「この価格なら導入する」という回答率を掛ける

係数について、報告書は「エキスパートインタビュー」に基づくと記しています。どの専門家に、どのような質問をして、なぜ戸建が 10% で製造業事業所が 37.5% なのかを示す資料は、報告書に含まれていません〔A: EV-008〕。アンケートについても、報告書自身が「回答者のバイアスが含まれ」ると注記しています。導入意向を問うアンケートは、関心のある人ほど答える傾向があり、実際の購買より高い率が出やすいことが知られています〔C: CL-005〕。

こうして得られた需要曲線は、発電コスト 16 円/kWh で約 21GW、14 円で約 26GW、10 円で約 37GW、7 円で約 44GW を示します〔A: EV-002〕。20GW は、このうち 16 円前後の値にほぼ対応します。

## 3. 自立化水準に届かない試算

ここで戦略本文の別の箇所を見ます。戦略は、ペロブスカイト太陽電池が補助なしで導入される自立化水準を 10〜14 円/kWh と置き、20GW をその水準での需要として説明しています。一方、同じ戦略の p.22 で、事務局は 2040 年時点の発電コストを「15 円台半ば」と試算しています〔A: EV-004〕。

つまり、目標の前提（14 円以下）と、目標を掲げた側の自前の見通し（15 円台半ば）が、同じ文書の中で一致していません。15 円台半ばの需要を需要曲線で読めば、20GW よりやや少ない値になります。

戦略はこの差をどう埋めるかについて、習熟曲線を示しています。累積導入量が 10GW に達すると設備費は 14 万円/kW、80GW 強で 6 万円/kW になり、そのとき発電コストが 10 円に届く、という前提です〔A: EV-005〕。国内目標の 20GW だけでは 80GW に届かないため、10 円への到達は海外市場 500GW の一部を日本企業が取り込むことに依存しています〔A: CL-013〕。

2025 年 2 月、資源エネルギー庁の発電コスト検証ワーキンググループは、ペロブスカイト太陽電池の 2040 年の発電コストを参考値として 15.3 円/kWh（政策経費を含めると 16.4 円）と示しました。同じ資料で、事業用の結晶シリコン太陽光は 7.9 円（同 8.4 円）、住宅用は 7.6〜10.4 円です〔A: EV-011, EV-012〕。政府自身の見通しで、2040 年のペロブスカイトはシリコンの約 2 倍の発電コストになります。

## 4. 寿命 10 年と寿命 20 年

発電コストの計算で最も効く前提の一つが、設備が何年使えるかです。

需要調査の報告書は、発電コストの試算にあたり設備寿命を 10 年と置いています。初期費用は約 25.1 万円/kW、運転維持費は年 0.5 万円/kW、割引率 3%、変換効率 15%、設備利用率は屋根 14.5%・壁 8.4%・窓 7.5%。この前提で求めた現在の発電コストは、屋根 28.0 円、壁 42.9 円、窓 57.5 円/kWh です〔A: EV-007〕。報告書は、これらの諸元が「エキスパートインタビューを基にした推計値」であると記しています。

その 1 か月後に出た発電コスト検証ワーキンググループの参考値は、設備寿命を 20 年と置いています。これは事業者 6 社へのヒアリングの中央値です〔A: EV-011〕。

寿命が 10 年から 20 年になれば、同じ初期費用でも 1kWh あたりのコストはおおむね半分近くまで下がります。2040 年の 15.3 円という参考値は、寿命 20 年を前提にした値です。製品を最初に市場に出した積水化学工業は、2026 年 3 月に発売した製品の耐久性を 10 年と公表しています〔B: EV-025〕。現時点の製品寿命は、需要調査の前提に近く、コスト検証の前提の半分です。

二つの前提のどちらが政策判断に用いられたのか、両者の差をどう整理したのかは、公開資料に説明がありません〔A: CL-004〕。

## 5. 目標を決めた場での議論

協議会の議事要旨は公開されていますが、発言者名は記されていません。目標を求める発言は早くからあります。第 2 回（6 月 19 日）には「長期需要の予見性が必須。政府が長期的な目標を示したほうがよい」、第 7 回には「できるだけ多くの導入が進むような意欲的な目標を、官民で掲げる必要がある」という発言が要旨に残っています〔A: EV-039, EV-043〕。一方で、第 6 回には「2040 年には現状の試算よりもレベルの高いコスト低減目標を考えるべき」、第 7 回には「GI 基金の 14 円/kWh は一定条件下のもの」という、コスト前提に慎重な発言もあります〔A: EV-028, EV-043〕。誰がどの根拠で述べ、事務局がどう応じたかは、要旨からは分かりません。

需要推計を行った受託者は、第 3 回（2024 年 7 月 26 日）と第 5 回（同 8 月 26 日）の協議会で発表しています。どちらの資料も配付資料ページに掲載されていません〔A: EV-029〕。目標の数値が公開の場で審議された記録は、現在の公開資料の範囲では確認できません〔B: CL-001〕。

## 6. ここまでで分かったこと、分からないこと

分かったこと
- 20GW は専門家インタビュー由来の係数と意向アンケートから推計された需要であり、14 円以下への低減を前提とする
- 戦略自身の 2040 年コスト試算はその前提に届かない
- 骨子案（9 月）には導入量の欄が無く、10 月の案で伏せ字の欄が置かれ、11 月 26 日の案で数値が入った。水準の選択理由は配付資料にも要旨にも無い
- 既設設備をタンデム型へ置き換える見込み量は、骨子案・10 月案の 49.1GW（2035〜2040 年）から 11 月案で 66.8GW（2032〜2040 年、うち変換効率の改善分 17.6GW）に変わった。差は集計期間と母数の変更で説明できる〔A: CL-020〕
- 需要調査と発電コスト検証で、設備寿命の前提が 10 年と 20 年に分かれている
- 推計の計算表、係数の根拠、アンケートの設問と集計は公開されていない

分からないこと（確認中）
- 第 7 回から第 8 回の間に、目標水準の選択肢がどう比較され、誰が約 20GW を選んだか
- 設置係数の出所
- 寿命 10 年の前提で 2040 年の発電コストを再計算すると何円になるか

これらは行政文書の開示請求と[公開質問状](/perovskite-policy-investigation-public-questions-2026.html)（2026 年 10 月 29 日送付、回答期限 11 月 28 日）で確かめます。回答が得られたものから、この章を更新します。

## 出典

| 記号 | 資料 |
|---|---|
| EV-001, 002, 003, 004, 005 | 次世代型太陽電池戦略（2024-11-28）および第 8 回配付の戦略案（2024-11-26） |
| EV-007, 008, 009 | 令和 6 年度 次世代型太陽電池の需要等に関する調査 報告書（経済産業省委託、2025-01） |
| EV-011, 012 | 発電コスト検証ワーキンググループ 取りまとめ（2025-02-06） |
| EV-025 | 日経 BP メガソーラービジネス（2026-03）、積水化学工業 プレスリリース（2026-03-27） |
| EV-028, 029 | 官民協議会 議事要旨 第 1〜10 回、開催一覧ページ（2026-05-19 更新） |
| EV-037〜046 | 官民協議会 第 1 回 資料 1・2、第 2 回 議事要旨、第 4 回 資料 1、第 6 回 骨子案、第 7 回 案・議事要旨、第 8 回 案・議事要旨（2024-05-29〜11-26） |

数値の単位は特記のない限り円/kWh。各資料の URL と取得日は[証拠台帳と一次資料一覧](/perovskite-policy-investigation-evidence.html)に掲載しています。第 1〜8 回の配付資料・議事要旨を会合ごとに比べた表は[付属資料 20gw-trace-kanmin-01-08.md](/perovskite-policy-investigation/data/timeline/20gw-trace-kanmin-01-08.md)にあります。
